うしろの正面だーあれ
「よろしいですか?
火葬場ではお顔を見られませんからね。…よろしいですか?」
男性スタッフが言うと、無情にも棺の蓋が被せられていく。
待って…
待って…
待って、憂…
やだっ…!
カタッ・・
完全に閉まった白い棺を、沙良は涙でぼんやりと滲む目で見つめた。
火葬場へ、行く。
沙良も行かせてもらえることになった。
バスに乗り込み、一人席に座る。
誰とも話したくなかった。
泣き顔を見られるのも嫌だった。
沙良は窓の方を向きながら、溢れてくる涙をただ流した。