うしろの正面だーあれ
『朝子ちゃん…!』
思わず叫んでしまったことにも咲子は気付かない。
次の瞬間、固まってしまったからだ。
『キヨちゃん…』
咲子はポツリと呟いた。
『咲子!助けて!
キヨが私を突き落としたの!』
朝子が喚く。
『え…?』
『違うわ、人聞きの悪い…。
あんたが勝手に落ちたんじゃない!』
『あんたが追い掛けてくるからでしょ!?“あんたのせいで私は死んだ”なんて言って…』
なんだか2人とも全然怖くないな…。
幽霊なのに、変なの…。
ケンカしてる幽霊なんて初めて見たよ…。
咲子はフフっと笑った。
『そうよ!
あんたのせいじゃない!
だから あんたも道連れよ…!』