うしろの正面だーあれ



『朝子ちゃん…!』



思わず叫んでしまったことにも咲子は気付かない。



次の瞬間、固まってしまったからだ。






『キヨちゃん…』



咲子はポツリと呟いた。



『咲子!助けて!
キヨが私を突き落としたの!』



朝子が喚く。



『え…?』



『違うわ、人聞きの悪い…。
あんたが勝手に落ちたんじゃない!』



『あんたが追い掛けてくるからでしょ!?“あんたのせいで私は死んだ”なんて言って…』



なんだか2人とも全然怖くないな…。



幽霊なのに、変なの…。



ケンカしてる幽霊なんて初めて見たよ…。



咲子はフフっと笑った。



『そうよ!
あんたのせいじゃない!
だから あんたも道連れよ…!』



< 87 / 675 >

この作品をシェア

pagetop