うしろの正面だーあれ



驚く朝子の母親に、咲子は真っ直ぐな瞳をして言った。



『学校で飼ってるウサギにエサをあげたり、教室のお魚の水を変えてあげたり、みんなのお花に水をあげたり…。
そういうの、全部 朝子ちゃんが毎朝、こっそりやってくれてたんです。』



『朝子が…?』



『はい。
…そんな朝子ちゃん見てたら友達になりたくなって…。』



『…そう。ありがとう。
これからも朝子をよろしくね?』



少し涙ぐんで、朝子の母親は微笑んだ。



『はい!』






『あっ…朝子!』



『朝子ちゃん!』



『ぅ゙…痛…』



『当たり前じゃない!
骨折してるんだから…。』



起き上がろうとする朝子の体を支えながら、朝子の母親は叱るような口調で言った。



『朝子ちゃん、大丈夫?』



『大丈夫なわけないでしょ!』



『いつもの朝子ちゃんだ…。』



咲子が微笑むと、朝子は照れているのか顔を赤らめて そっぽを向いた。



『…何言ってんのよ!』



そう言った朝子の顔は嬉しそうだった。



『私、先生呼んでくるわね。』



朝子の母親が席を立った。



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