うしろの正面だーあれ
朝子と笑顔で手を振り合って、咲子は家に帰った。
『ただいまぁ。』
『咲子、ちょっと座って。』
母親が真剣な面持ちで言った。
『何…?』
何か、嫌な感じがする。
『いいから。』
そう言って、咲子は母親の前に座らされた。
『…病院で何を見たの?』
『え?』
唐突な質問に、頭がついていかない。
『朝子ちゃんの手術中に、「朝子ちゃん!」って叫んだでしょう?』
『え…そうだったっけ…?』
手が急激に冷えていく。
『あなたは一体、何を見たの。』
『あ…』
『あ?』
朝子ちゃんの幽霊…なんて言ったらどうなるか…。
やっぱり言えない…。
『あ…朝子ちゃん頑張れ!…と思って…。』
『………………。』
咲子の母親は、不審な目で咲子を見ている。