うしろの正面だーあれ
『隆史くん…!!!』
夢の中で、咲子は叫んだ。
…い
…さい
『起きなさい 咲子!!』
『はいっ!!!』
『…何よ、そんなに慌てて…。
怖い夢でも見たの?』
『…うん。』
『どんな夢?』
『…忘れちゃった。』
『そう。
…もうこんな時間!
遅刻するわよ!』
『はぁい…。』
どんな夢だっけ…。
起きた瞬間に全部忘れちゃった。
…だけど体が覚えてる。
すごく すごく 怖かったって…
夢の内容は忘れても、嫌な気分は晴れないんだなぁ…。
憂鬱だな…。
そんなことを考えながら、咲子は身支度を始めた。