すべてはあの花のために⑦
挿書 証明
時刻は18時。
「……ほい。確かに」
ある教室で、誰かがたくさんの用紙を渡している。
その用紙を、物影が確認しているようだ。
会話の内容は、よく聞こえない。
「……はあ。じゃあ。『約束』だからな」
「ありがとうございますっ」
その用紙を確認し終わった代わりに、ある書類を手渡す。
受け取った人は、相手に深く頭を下げ、部屋を出て行った。
「……時間が、ないのか……」
残った誰かがそう呟いたのは、誰の耳にも届くことはなかった。