すべてはあの花のために❾
 ――――――…………
 ――――……


「ほら。やっぱりアイは悪くないじゃん」

「でも! 俺があんなこと言わなければ、君のお姉さんは消えなかった! あおいさんだって、つらい思いをしなかった!!」

「そうかもね」

「おい九条」

「それはそうかもしれないけど、でもアイは、ただあいつと話がしたかっただけじゃん。よかったね、ついでにキスもできて」

「…………(ぽっ)」

「あ?」

「ごっ、ごめんごめん! でも。本当に後悔してて……」

「あれだけつらそうに話するんだもん。そうなんだろうなってことは十分伝わったよ」

「……本当に。ごめんなさい」

「だから、アイが謝ることなんてないんだって」

「でも、謝らないと気が済まないんだ」

「……気が済まない、か。じゃあ謝ったらいい。それで気が済むんなら」

「え。で、でも……」

「お墓行く? 場所教えてあげるから行って謝っておいでよ」

「え。……えーっと」

「謝るだけで気が済むんなら、そうすればいい」

「え。く、九条くん……??」


 急に雰囲気が黒くなってしまったオレに、みんながどうしたのかと不安そうな顔をした。それに気づいて慌てて元に戻そうとする。


「ごめんごめん。何でもない。でもさ、本当に謝んなくていいよ? あいつだって謝って欲しいとか思ってないし」

「でも、それだったら俺の気が済まない! ご家族の方にもちゃんと謝罪を――」

「いいんだって!!」


 いきなり声を張り上げると、みんなが体をビクつかせて驚く。……やめてくれ。お願いだからやめて。


「アイが悪いことなんて一つもないのに謝って欲しいと思うわけないじゃん。だから、オレがここで許してあげるから、アイも納得しなさい。いい?」

「え。えーっと……」

「いい?」

「は、はい……」


 本当に謝る必要なんてないんだ。
 悪いのは全部。……全部……。


「(……オレ、なんだから……)」


 やめてくれ。謝るなんて。
 家を壊したのは全部、……オレのせいなんだから。


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