ワケアリ無気力くんが甘いです
というか、じ、甚平っ──!!
紺色の甚平におしゃれなサンダル。それにハーフアップ、ピアスと指輪……。マスクしてない顔に慣れても次々とかっこいい姿をされ、素敵すぎて頭の中が混乱する……。
「……どっか、変じゃない?」
頬を掻きながら不安そうに尋ねてくる先崎くんに、私は思い切り首を横に振った。
「似合ってる?」
今度は縦に振れば、先崎くんは笑いだす。
「面白いね、夜。でも首大変だからそのへんにしときな」
「う、うん」
「……んで、夜は?」
未だ顔だけ出して出ていかない私のもとへ、先崎くんはゆったり歩いて来る。
早く外に出ないとお母さんとかがやって来てしまう心配もあるから……でも、なんか恥ずかしくなってきた。
「ほら」
出ておいでよ、と差し出された手。
ド緊張しながらも、ほんの指先に触れれば手首が引っ張られた。
前のめりになりながら下駄のいい音が響き、先崎くんに浴衣をお披露目することに。
「……うん、いいね。それも夜っぽい」
「あ、ありがとう」
浴衣を着て若干暑いのにより暑くなってくる。
「それに、今度は巾着につけかえたんだね。キーホルダー」