ワケアリ無気力くんが甘いです
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「……花火の、予約……」
夏休みが終わりに近付いてるのに、来年の花火のことを考えては口が緩んでいた。
それに指切りした後、先崎くんが私の勘違いや自惚れでなければ嬉しそうにしてくれていたのがまた……。
花火中も行きも帰りも、先崎くんのこと意識しちゃってたのは私の方で……きっと先崎くんはそうではない。
私とは仲良し、ってお兄さんに言ってたから。友達として、だけなんだろうな。
ううん、それでも十分。友達として仲良くしてくれるだけで、嬉しいから。
それに、先崎くんはギャップがあってかっこいい。逆に私はそんなところなにもない。だなら……せめて片思いをひそかに楽しむくらい。
それで十分──
十分。
花火の余韻の中で、自分に言い聞かせるように唱えて、忘れていた宿題の残りを終わらせることにした。