ワケアリ無気力くんが甘いです
答えようとすると、グッと腕が後ろから引っ張られ、よろけた弾みで引っ張った主の腕の中へ軽く抱きとめられた。
「俺、よ……黒羽さんたちとやるから」
引っ張られた驚きよりも頭上からした声に鼓動が大きく跳ねたのを感じ、私は石のように固くなる。
「……そ、そっか」
「そうなの?んじゃどうすっかなぁ」
誘いに来たふたりとも、んーと唸りながら私たちのそばから離れていく。
……って、私も離れなければっ!
いつの間にか、藤田くんと並んでニマニマとこちらを見ているかんちゃんに手を伸ばし掴んでもらい、ゆっくりと先崎くんから離れた私に、かんちゃんは凄く含みのある満面の笑みを向けてきた。
そして──
「いやん、先ちゃん男前。噛んでたけどっ!」
「……うるさ」
こちらはこちらで茶化されている。
「でも、僕も志賀ちゃんとヤコちゃんがいーい。ってことでレディたちはいかが?」
「わたしやるー!ヤコちゃんとー!」
はいはーい!と手をあげるかんちゃん。
サッカー部の男子にはあの対応だったのに、藤田くんにはすんなりだ。
イェーイ、とハイタッチをしている二人。