ワケアリ無気力くんが甘いです


──まだジメジメとする外をペンキを片手に歩く。先崎くんが全部持つよと言ってくれたけど引き受けたのは私だったから、一方的には持たせられなくて。でも、重い方を先崎くんは持ってくれている。

真っすぐ買い出しを終えて帰るのかと思いきや、コンビニに寄ってアイスを買った先崎くん。


「これくらいの息抜き、あってもいいっしょ」
「そうだね」


先崎くんは外に出てさっそく袋の中からアイスを取り出そうとする。


「あれ?お前……優麗じゃね?」


だけど、前から来た男の子に声をかけられた先崎くんの顔色が一瞬にして変わった。
ザ不良っていう見た目に、つい先崎くんのそばに寄ってしまう。


「なに、彼女?……へぇ?」


私のことを下から上までじろじろと見て、ただ作られた笑みを向けられ、男の子は私の方に一歩、大きく近づいた。


「君、コイツがどんなやつか知ってんの?」
「……どんなとは?」


先崎くんが、不良だったってこと?


「誰かれ構わずボッコボコにして、ずーっと澄ました顔でいてよ。……そのうちアンタもその顔、ボコボコにされるかもしんねーぞ?」


心配なのか忠告なのか、けれど男の子の顔はどちらでもない。口角があがりどこか楽しそうな、心配の色なんて微塵もない。
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