ワケアリ無気力くんが甘いです
「……だから?」
「は?」
私の中で、先崎くんのことをそういう風に言われるのは嫌だった。だから強気にいこうと顔をしかめ、男の子を見る。
「いや、私が知ってる先崎くんはそういうことしない人なので。……過去は過去。今は今だと思うんです」
「……っけ、忠告してやったのによ。知らねーからな」
私たちの横を通り過ぎ、自動ドアが開く寸前……男の子が振り向いた。
「よかったな、彼女が"バカ"で。……"元"不良の先崎クン」
「っお前……!!」
「先崎くんっ、気にしないで」
アイスとペンキの入った袋を同時に手離し瞬間的に拳を握りしめた先崎を止めに入れば、その要因を作り出した男の子は鼻で笑った。
「はっ……見た目はただの地味キャラにしても、不良気質は残ってんな。見た目をいくら変えたって無理だろうよ。彼女、傷付けないうちに別れた方いいかもな?」
もう1度鼻で笑って中に入っていった男の子。
先崎くんは俯いてるだけで、何も言い返しはしなかった。……それで、私はいいと思う。
あんなのただの煽り。乗ってはだめだもの。