ワケアリ無気力くんが甘いです
前に先崎くんが不良だったって教えてくれた時に伝えたけれど、不良というレッテルは『過去』だから。
元不良であれ、今の先崎くんを私は──
「帰ろ、先崎くん」
「……ん」
袋を再度持ち直し私たちは歩き出すも、先崎くんが買ってくれたアイスは、袋の中でどろどろに溶けていった──
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コンビニ前でのことから数日、準備は順調だったものの徐々に男子と女子の作業への意欲が分かれ始め、度々女子の文句がサボりがちな男子への投げられていた。
私たちは飾りつけの花をひたすら作っていて、力仕事に回された先崎くんたちとは別作業になっている。
だから、普通に挨拶や作業関係の話はさらっとしても、長めの会話は出来ていない。
それに……なんとなく遠くから見る先崎くんが浮かない表情に見えるのは、あの男の子のせい。
「ごめーん、ヤコちゃん廊下にいる男子に机追加って言ってもらっていいー?」
「あ、うん。分かった」
たまたま私が廊下近くのドア前にいたから頼まれたんだろう。このくらい、構わないけど。
ドアを開けて、廊下へと顔を出せば運良くひとりしゃがんでいる先崎くんの姿があった。
先崎くんも私に気付いてくれた。
「ごめんね先崎くん、机を──」