ワケアリ無気力くんが甘いです
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文化祭の準備が大詰めとなって、最終チェックも無事に終わった。休みが明ければ、文化祭がやってくる。……けど、あの廊下から数日。先崎くんに声をかけづらくて、何も話せていない。先崎くんからも、挨拶以外は声をかけてこないから……。
原因としては、あの男の子に言われた言葉のせいかな、とは考えていたけど。私は先崎くんが不良だったこと、気にしてないことを先崎くん自身も分かってくれているはずなのに……どこか避けられてる感じが続いていて。
つい、お店の近くまで足を運んでしまった。
もうお家もお店も見えてきた。
けど、先崎くんにまた避けられたら……そう思うと足が前に進まなくなる。
──やっぱ、やめておこうかな。
約束なんてしてないし、急に来られても困らせてしまうだけ、だもんね。
「……あれ、夜子ちゃん?」
来た道を引き返そうとした時、横から声をかけられた。
「え?お兄さん……」
「もー望ちゃんって呼んでよー」
変わらず可愛らしい装いのお兄さんは、買い物の帰りなのか小さな紙袋を手に小走りに私のもとへやってくる。
「こんなところでどうしたの?確かお家ここから遠かったはずだよね?優麗と約束?」
「い、いえ……約束は、してないです」
「あらやだ、うちの弟なにかしたのね?」
「え?」
「優麗と違って、こんなんだけど女心はわかるの。夜子ちゃんさえよければ、話してもらえないかしら」