ワケアリ無気力くんが甘いです
そうお兄さんが言いかけた時、タイミングがいいのか悪いのか、休日だけど学校と変わらない見た目の先崎くんが公園の前を歩いていた。
っ!
「あ、優麗!!あんたねぇ──」
「お兄さん、私失礼しますっ」
「え?あっ夜子ちゃ……」
つい、足を後ろに引いて走ってきてしまった。
反射的に。
……気にしないって、私前に伝えてはあるけど、また先崎くんに顔を背けられたらって思うとだめだった……。
ひたすら走って来てしまったせいか、気付けば駅の前まで来ていて。
……もう、帰ろう。
学校でも話ができていないのに、押しかけて話せるわけがない。
ここまで来た自分に内心、今更になって驚く。よく、来たなって。連絡する勇気すらなかったのに。
軽く息を整えながら、切符を買って改札の方へ。そのまま投入口へ切符を入れようとすれば、
「──って、待ってっ……夜!」
後ろから勢いよく腕をつかまれた。
振り向けば、髪が乱れ息を切らした先崎くんが。
来てくれて嬉しい気持ちと、複雑な気持ちが今はハーフ&ハーフ。
会いに来た割に何を話していいか、分からなくなったから。