ワケアリ無気力くんが甘いです
来た側も引き止めた側も、切り出せず改札前にいてはいけないと、数歩避ければ先崎くんは帰らないとわかったのか私からゆっくりと手を離した。
そして人が過ぎゆく中、切り出したのは先崎くん。
「……ごめん」
罰が悪そうに、ちらりと私を見て先崎くんは謝りまた目をそらした。
「学校で、夜のこと……避けてた」
……やっぱり。
そう感じていたのは間違いではなかった。でも、避けてたって言われると……中々にくるものがある。
「コンビニであいつが、夜のことをバカって言ったこと、気に食わなかった。……それに、俺が夜のそばにいて本当に傷付けたりしたら、って考えたら……怖くなった」
「……うん」
「もしかしたら俺といること、嫌になったりとか……夜が感じてたりしてないか、とか」
あの男の子の言葉から、私を怖がらせたくない傷付けたくないと、悩んでくれたことは伝わった。
でも、
「……思ってないよ。私、図書室で言ったよね。先崎くんが元不良でも、なんでもいいって。気にしないって……」
私の言葉は、先崎くんの中で百パーセント信用出来るまでにはいたってなかったってこと、だよね。