ワケアリ無気力くんが甘いです

引き続き人酔い気味で猫背になってる先崎くんが藤田くんの肩を掴み、私に差し出していたワッフルを藤田くんの口へ運んだ。


「ん!ん、おいし。僕上手!」
「うるさい」


猫背になりながらも黙々とワッフルを作る先崎くん。お客さんが来てないタイミングで、その横顔を見ると、

とくん、とくん、と心臓がいつもとは違う鼓動の鳴り方をする。
おちゃらける藤田くんをあしらい、あっつ……と髪を耳にかけるしぐさ。それだけでトキメクというか……。


「……ん?」

「っ!!」


見てるのバレた……!というより、目が合うなり微笑まれた……。マスクをしてるから目元しか見えないのに、こう……先崎くんの笑顔は破壊力があるっていうのかな。

きっと、私が先崎くんのことを好き……だからそう感じるところもあるんだろうけど、心臓のためにも今は接客に集中しよう。

先崎くんには薄っすらと笑って返し、通っていく生徒やお客さんに軽くワッフルを進めることにした。




< 130 / 153 >

この作品をシェア

pagetop