ワケアリ無気力くんが甘いです


「──誰か、誰かいませんか!!」


スマホがないなら、と何度か叫んでみたものの、やっぱり外からの反応は何もなく。

けど何もしないのは……と思い工具棚のペンキやバケツをひとつずつ床に退かしたり寄せたりして、足場を作りのぼることにした。

この空気内で動くのは少なからず息が上がることに繋がるから嫌だけど、そんなことも言ってられない。
多分今頃、かんちゃんが探してくれたりしてくれていると思う……けど、自分で出来ることをやって早く見つけてもらえる努力をしなきゃ。


「……よし」


棚に足をかけるとどこか安定感に乏しい気がして躊躇いが生まれるも、のぼるしかないのだからと言い聞かせ、次、また次の段へと足をかけていく。
足が少し震えながらも、窓の鍵を外すため精一杯手を伸ばす。ただ棚の奥行があるせいで届きそうで届かない。


「っもう、ちょっと……!」


支えてる足をつま先立ちにして勢いで手を伸ばせば、指先で鍵を開けることに成功し窓をわずかだけど開けることが出来た。

やった!これで新鮮な空気を入れられる!

より一段上がって網戸越しに外を見てみると、



「……先崎くん!」
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