ワケアリ無気力くんが甘いです

ああ……

棚をのぼって、すぐそこに先崎くんが居るなんて……すごいタイミング。
『えっ』と先崎くんの声が聞こえ、その安堵からふっと力が抜けたのが悪かった。


気付けば視界が回り、体が床に叩きつけられていた──


「……いったぁ」


背中に痛みが走ったところに、扉がガタガタと揺れ、ものすごい音を立てたかと思えば錆びついた扉が開いていく。


「……夜っ!!」

「先崎く……」


仰向けのまま、先崎くんの方を首だけ動かしてみればすぐさま血相を変えた先崎くんが起こしてくれて。


「何があった……怪我は?」
「……怪我はしてない、けど……実は──」



私は紙を見せながら今に至る話をして、物置に閉じ込めた人のことも先崎くんに話した。


「あいつッ……」


静かに怒りを見せる先崎くん。


「ごめんね、先崎くんに確認すれば良かった」

「いや……夜は悪くない。でも、俺だったらイラストつける」
「あ、そっか……そうだよね。全然気づけてなかった。文化祭で浮かれてたせいかな、ごめんね」 


閉じ込められた時、あのコンビニで会った男の子の顔を見てすぐ、先崎くんからではなかったことはわかった。はめられたってことも。
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