ワケアリ無気力くんが甘いです
空気が悪いからって先崎くんが物置より私を遠ざけてくれて、校舎に背を預け座ったところで
「……ヤコちゃん!!」
「先ちゃん、ヤコちゃん見つけられたんだね。よかったぁ」
かんちゃんと藤田くんも来てくれた。
「あーんもう、ヤコちゃん無事でよかったー!」
「ごめんね、ありがとう」
「僕たちが待っても連絡してもヤコちゃんが来ないから、何かあったんじゃって。でも見つかって良かった」
物置のそばに投げてあった鞄を藤田くんが拾ってくれて、かんちゃんは私のかわりに鞄を受け取り砂を払ってくれる。
「……フジ、志賀さん、夜を頼む」
「ん?ん?え、うんわかった」
「勿論」
先崎くんが夜って言ったから、かんちゃんはぽかんとするもとりあえず頷き、藤田くんは表情を変えず頷いた。
私から離れ、先崎くんが背を向けようとするからつい、引き止めてしまう。
「先崎くんっ」
「分かってる。見つけても、殴りはしないよ」
肩越しにそっとそう言って、先崎くんは走って行ってしまった。