ワケアリ無気力くんが甘いです

その背中を見つめていると、肩に手を置かれる。にっこりとした藤田くんに。


「殴りはしないってことは、寸前のことまではするってことだろうけど、大丈夫でしょ」
「え、今のってそういう……」
「でしょーねー。だって先ちゃん、めちゃくちゃ怒ってるし。相変わらず顔に出ないけど。でも……顔に出ない怒りの方が何倍も怖いから」


えっ、と思わず声がもれた私に藤田くんは笑いかけてくれる。


「大丈夫だいじょーぶ。あっちは先ちゃんに任せて……ってヤコちゃんスカート」
「え?」
「ああ!スカートにペンキ?これペンキだよね!?落とさなきゃ!」


私のスカートに視線がいく2人。見ればスカートの裾にペンキがついていた。
棚から落ちた時に、倒したペンキの蓋が開いてしまったのか、やってしまった……。


「水飲み場、いこ!」
「だ、大丈夫っ私はひとりで……かんちゃんたちは食べ歩きしてきて?時間なくなっちゃうから」
「え、でも……1人にするの心配だよ。ね、せんせ」
「まぁそうね……けど事が終わり次第、先ちゃんがヤコちゃんのところに戻ってくるだろうから……一応人が多いとこにヤコちゃん送ってからにしようか」
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