ワケアリ無気力くんが甘いです


──あまり人がいすぎても、ということでグラウンドから少し外れた水飲み場まで移動して、心配してくれるかんちゃんたちにはお礼を言って食べ歩きに行ってもらった。


近くで人が沢山いるのを感じながら、スカートの裾のペンキを落とそうとするも、中々落ちてくれない。


「……だめかな」


ハンカチで叩いても、ほんの少し薄れたくらいにしか見えない。一応、もう一着スカートはあるからいいとして……それよりも──


「やっぱり。痛いと思った……」


利き足のローファーと靴下を脱げば、人差し指だけピンポイントで内出血していた。
押された時か、自分で落ちた時に出来たのか、焦っていたから分からないけど。


「──夜!」

「……先崎くん」


正面から走って戻って来て先崎くん。私は慌てて靴下とローファーを履き直した。


「フジから夜の場所教えてもらった。……ほんとに大丈夫?」
「うん。先崎くんは……その」
「……あいつ見つけて、ほどよく?」


目を逸らして苦笑いする先崎くんに、何をしたのか気にはなるも聞かないのが吉だと思ってやめた。


「この後どうする?」
「私は……あまり歩かないで座ってようかな」
「なら俺もそうする。あっちは食べてるだけだし。1人にしたくないしさ」
「……ありがとう」


適当に小腹用に出店で買って、残りの時間を近くのベンチで私たちは過ごすことにした。
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