ワケアリ無気力くんが甘いです
「俺……夜が好き」
──!!
「不良だった頃の力は、夜のことを守るために使いたい、って思ってる」
「先崎く──」
「俺と……付き合ってくれますか」
文化祭の後の告白は定番なのかもしれないけど、今、この帰りに先崎くんから好きだと言われるなんて思っていなかった。
だから、驚きのあまり鞄が肩から滑り落ち両手で口をおさえてしまう。
「……ど、どう?」
「わ、私でいいの?」
不安そうな先崎くんに、恐る恐る言葉を返すも声が震える。
私は、片思いで……仲のいい友達でいれたらそれで十分だって思っていたのに。
望んでもいいのかな。
友達止まりではなく──かっこいい先崎くんの彼女になることを。
「何言ってんだよ……俺は夜がいいの。俺の中で特別な子、夜しかいないから」
なんでだろう。
先崎くんの言葉がスッと心に入ってくるような感覚。
嬉しいと喜びで忙しいのと、どうしようどうしようって慌て出す私がいる。
だけど、返事……返事。
同じように深呼吸をして、私今度は私が先崎くんを見据える。
尋常じゃないくらい、鼓膜まで響くような鼓動に負けてはいけない。
「私も、先崎くんのことが好き……です。私も、先崎くんがいい……」
緊張からと嬉しさからとで、私の返事はこれで精一杯。おまけに涙が出そうになる。