ワケアリ無気力くんが甘いです
──お店の仕事に戻ったお兄さんに挨拶して、先崎くんのお部屋へとお邪魔した。
「はー……やっと静かになった」
ムッとしながら床に座る先崎くんの隣に座って用意されたお茶を一口。
「夜が休みに来る度に兄貴は邪魔ばっかしてくるし、挙げ句俺の前で抱きついてるし」
以前の休みにもお邪魔した時、
『優麗は学校で一緒にいるんだからいいじゃないちょっとくらい!』とお兄さんは私をお店に連れて行こうとしていた。
「でも、優しいお兄さんだよね」
「どうだか」
お茶のグラスをおぼんに置くと同時に、先崎くんの両足が私を挟んだ。
……え?
前のめりのまま固まれば、伸びてきた腕に引き寄せられ、密着状態に。
「せ、先崎くん……!?これは……」
「んー、抱きしめてみた。……いい匂いする。柔い」
ひぇー……!ど、どうするべき!?私はどうするべき!?
横から先崎くんの熱が伝わりすぎて、顔上げれないし……。なんか先崎くんの手が色んなとこ触ってて、ただ硬直することしか──
顔が熱くなりガチガチに固まっていれば、横からフフッと小さな笑い声が聞こえ、横抱きにされた。