ワケアリ無気力くんが甘いです
「だ、だって経験がなくて……」
「俺も初めてだけど。……そんな構えんなよ、慣れろって」
そう言いながら、先崎くんの手が優しく頬を撫でると顎をすくわれまた口付けられる。
この、少し口調がヤンチャになる感じにもトキメキを覚えながらずっと、ぎゅっと、先崎くんの服を握りしめてなんとか離れていくまで呼吸を繋げた。
ゆっくりと熱が離れていくと、先崎くんの視線が私の手へと向き、
「つ、掴んじゃってごめ──」
「違う。……すげぇかわいい、って思って」
「え?」
「……はぁ」
俯いてぎゅっと、私を抱きしめる。
いい香りがするし、髪綺麗だしで、どこを見たらいいか全然分からなくなるからいたたまれなくて。
「あ、あの……先崎くん?」
もぞもぞと腕のなかで動けば、俯いたまま返事が返ってきた。