ワケアリ無気力くんが甘いです
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いつもより少し早い登校をした朝──教室のドアを開けた時、先崎くんの姿があった。
日直で早く来た私よりも早く。
先崎くん以外誰もいない教室に私は入った。
「おはよう先崎くん。一番乗りだね」
「おはよ」
先崎くんは眠そうに机に伏せながら、ゆるく手を振ってくれる。
それに軽く振り返して席に座り、日誌を机に広げた。
鞄から筆箱を漁る。
──先崎くん、普段こんなに早いのかな?
私が遅いのか、いつも私が着いた時にはすでにいるから。
伏せたままの先崎くんを一瞥してから、日誌を書き始めた。
今日の天気は……くもり、っと。
窓をちらっと見て記入して、今日の時間割りを思い出しながら書いていると、前の席の椅子が、引かれていくのが目に入り顔を上げた。
「……どうかした?」
私の方へ向いて座る先崎くん。
「それ書き終わったら例の、やろうよ」
例の――?
「それって……ゲーム?」
「そ」
スマホを手に、先崎くんは頷いた。
あれ……もしかして――
「先崎くん、ゲームをするために早く来てくれた、とか?」
なんて──