ワケアリ無気力くんが甘いです
時間としては僅かだったけど、
すごく楽しかったな……。
ギュッとスマホを握りしめ、私は再び机に伏せている先崎くんを見つめた。
『日直だったから――』
合わせて来てくれたってことが嬉しかった。
それに……
『リベンジさせて』
次も、あるんだって。……楽しみ。
日直なんて面倒だと思っていたのに、今日は先崎くんのおかげで日直頑張れそう。
ひとり気づかれないよう笑い、スマホをしまえば、続々と登校してくる生徒に教室は徐々に賑やかになってくる。
朝の挨拶が飛びかう中、藤田くんの声が一際大きく響いた。
「あら!先ちゃん、珍しい!僕、今日早起きしたから来たのに……負けたぁ」
来て早々に先崎くんは藤田くんに絡まれ、鬱陶しそう。
何で早いの?ねぇねぇ、とニマニマする藤田くんに先崎くんは顔を反らしている。
「朝からやめて……あっち行け」
「先ちゃん朝からドライね!?」
2人の会話を耳にしながら、途中にした日誌を書きはじめる。
不意に顔を上げた時、藤田くんと目が合ってしまった。
『おはよーん!』と笑顔で手を振られ、私は少しぎこちない笑みを返した。
朝から元気だ、藤田くん。