ワケアリ無気力くんが甘いです
一人掃除……なんか私がやらかしたみたい。なんて。
日誌の横に鞄を置いて、掃除ロッカーへ向かおうと振り向いた──だけどすでに箒を2本持った先崎くんの姿があって。
「え……あ、ありがと。でも……先崎くんはいいんだよ?引き受けたのは私だし」
「俺も聞いてたからやるよ。黒羽さんだけにやらせるの、良くないと思うし」
先崎くんは黒板の方へ歩き出し、掃き掃除を黙々としはじめる。
先崎くんと何人かがまだ残っていたのは知ってたけど、その何人かも、帰っていったから……急に教室が静かになった。
ただ箒で掃く音が耳に届く。
「先崎くん」
「……ん?」
手を止めて私へと向く先崎くんにお礼を告げる。
「ありがとう」
「うん」
「……先崎くんも何かあったら言ってね。その時は私、手伝うから」
「……わかった」
朝と同じ空間。
静かな教室で私たちは掃除をした。
部活をしてないのは知ってるけど、先崎くんが何で残っていたのかは聞くの忘れちゃったけど。