ワケアリ無気力くんが甘いです




しばらくドヨンタイムを過ごし、教室へ行く決心がついた先崎くんとともに、屋上前から一緒に教室へ向かった。


「そう言えば君、どこの子?」
「どこ……あ、クラス?私は1組の──っ1組です」


名前を言おうとしてやめた私を不思議そうに見つめる先崎くん。今のは怪しまれてもおかしくはない。


「俺も1組……同じなんだね。一応よろしく。親切な人」


けど、先崎くんが何も聞いてこなかったことにどこかホッとする。
そして、けだるそうに手を振ってとぼとぼと先に教室へ入っていった先崎くんの背中を見つめた。

親切な人……か。
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