ワケアリ無気力くんが甘いです
**


帰りの挨拶が終わるとともに、男子生徒が手を上げた。


「なぁなぁ!クラスの親睦会的なのしない?」

え。

「あ、いいねぇ!やろうよ」

「確かに!2年間同じクラスなわけだし」

そう。2年間クラスがえなしの、文系と理系に分かれている。

「何するー?」

「そうだなぁ……」

盛り上がっていく側と、静かに話を聞く側のクラスの面々。

「スイパラとかは?」

「女子向けじゃん!」

「偏見じゃんー?男子も普通にいるし。賛成!」

「私、いいとこあるから電話してみるよ!ちょい待っててー」

女子が教室の外へ電話をかけにいく。

待っている間にもクラスでは、スイパラのメニューについて会話が盛り上がってる。

憂鬱そうに机のうえに置いた鞄をクッションがわりにする。
先崎くんの方に目をやると、またドヨンとしていた。

先崎くんも、ノリ気じゃないのかな?

女子入ってくる。

「土曜日にちょい遅いかもだけど16時から団体予約できるって」
< 7 / 120 >

この作品をシェア

pagetop