ワケアリ無気力くんが甘いです
しばらくその光景を眺めて、お客さんに呼ばれたお兄さんが渋々、接客へ戻ったことで終了。
「……はぁ、店番より疲れる。頑固だなほんと」
私は目の前で見てて、ちょっと楽しかった。……内緒だけど。
「ごめん。もう兄貴だけでいいし、他のバイトさん来ると思うから、俺らは退散しよっか」
「せ、先崎くんの新作、とかは……?」
「え……なんか欲しかった?」
「あるのかなぁーって……見たら買ってしまうかもしれないけど」
「近いうちかな。今はアクセのデザイン決め中。兄貴が横からうるさくて、なかなか決まらないんだけどさ」
今みたいに言い合いしてるんだろうな……
──お兄さんに軽く挨拶をして、また先崎くんのお部屋へお邪魔をし……
家にはお母様だけが居たらしく、玄関で物凄い驚かれたけど、
『まぁ可愛い!優麗が女の子連れてくるなんて……記念日ね!あがってあがって!この階段上がった右側が優麗のお部屋だから!』
これを聞いて、お兄さんの性格はお母様似なんだってことが分かった。
階段を上がりきるまで後ろから覗かれ手を振られ、笑って返せば『きゃー!』と返ってきた。