ワケアリ無気力くんが甘いです

「姉参上!!」


思い切り開けられたドアからお兄さんが入ってきて……驚いて体を引いたら、先崎くんに当たってしまった。


「っ!?びっくりした……あ、ごめん!」
「全然。……つか、お客さんびびらせるとかサイテー。勝手に入ってくんなってだから」


部屋に来たのも2度目だけど、このお兄さんがお部屋突撃してきたも2度連続。
不機嫌そうな先崎くんに、お兄さんはにっこりと微笑み、お盆にのるお茶を床に置いた。


「お店1時間はやく閉めちゃったっ」
「そんなの聞いてねぇし……ていうか何しに──」
「どいて優麗。はーい夜子ちゃん!これアタシから!」


お兄さんは私と先崎くんの間に無理やり座り、はい、と手に乗せられたのは蝶々をモチーフにしたバレッタ。


「え?えっ、あの」
「夏だし、こういう方が今はぴったりかなって!実用的でしょ?プレゼント!」
「でも……」
「アタシ、夜子ちゃんと仲良くなりたいの。……優麗の大事なお友達ですもの。まぁ!!それ以上になってくれちゃったりしてもいいのよ!」


──え。


「ちょ……困らせるようなこと言うなって……なに」


先崎くんの方にお兄さんが向き……
< 93 / 153 >

この作品をシェア

pagetop