推しが近所に住むなんて聞いてません!
そう言ってズンズンと帰ると、後ろから追いかけられた。
「おい..おいって!」
ガシッと手を掴まれる。
「…!」
振り返るとそこに居たのは猫屋くんだった。
「なんで急に帰るんだよ。二週間も遊びに来ないし、やっぱ俺のこと避けてんの!?」
そういう猫屋くんはなんだかいつもより必死だ。
「あ、いやあの、来なかったのはちょっと仕事が忙しくて。それにせっかくありさちゃんが帰ってきたのに、邪魔するのもわ、悪いかなと思って。」
そういう私は少し涙目で、必死に堪えた。猫屋くんの顔を見たら溢れてしまいそうだったので、少し目を逸らしながら話した。今は夜。きっと涙は夜が隠してくているはずだ。
「なんでそうなるんだよ...ありささんはひろ兄のいとこだから昔から知っているだけで別に特別仲がいいわけでもないし…急にあの家に住むって意味がわかんないし俺だって混乱しているのに」
「ごめん、明日早いから帰る…」
猫屋くんの話はあまり入ってこなかった。涙は見られたくなかった。だからとにかく帰ろうと思った。せっかく友達としてやっていこうと思っていたのに。好きな人が来るなんて..
「待てよ..!」
「は、はなして」
「俺は、由美子さんと話がしたいんだ!!」
そう言われて思わず振り返ってしまった。
振り返ると猫屋くんはサングラスを外し、真剣な面持ちで私を見つめていた。
気がつけば、私の目からは涙が出ていた。
「え、なんで泣いてんの!?」
心配そうに猫屋くんが訪ねてくる。
「…好きな人…なんでしょ?」
「え..?」
「ありささん、猫屋くんがずっと待ってた人なんでしょ…?」
何言ってんの私。こんなこと言いながら泣くなんて。もう私が猫屋くん好きなのバレバレじゃん。
やってしまった。私めんどくさい女だ。せっかく友達になれるところだったのに、こんな…
「ごめ…」
そう言いかけた特に口を塞がれた。
「んん..!」
どうして…どうして!?頭が真っ白になる。
これは演技…?いやそんなはずない。
じゃあからかってるの?私が猫屋くんのこと好きだから?からかっているの?
そうして猫屋くんは重ねた唇をゆっくり話す。
悲しそうな面持ちで「違う..違うよ。俺が待ってたのは」
「最低。」
そう言って猫屋くんを突き放す。
「好きな人いるのに..待っている人がいるって言ったのに…さいってい!私は確かに、今まで恋愛したことなんてなくて、慣れてなくて、チョロいかもしれない。でもからかわないで!寂しさの穴埋めに利用しないで!」
そう吐き捨てて逃げるように帰る。
家についてからは布団に潜り込んだ。
酷いこと言っちゃった…と後から考えるものの、からかう猫屋くんはもっと酷い。
ああもう明日からバー行けないな。また行くってマスターにも言っちゃったのにな。
その日は中々寝付けなかった。
「おい..おいって!」
ガシッと手を掴まれる。
「…!」
振り返るとそこに居たのは猫屋くんだった。
「なんで急に帰るんだよ。二週間も遊びに来ないし、やっぱ俺のこと避けてんの!?」
そういう猫屋くんはなんだかいつもより必死だ。
「あ、いやあの、来なかったのはちょっと仕事が忙しくて。それにせっかくありさちゃんが帰ってきたのに、邪魔するのもわ、悪いかなと思って。」
そういう私は少し涙目で、必死に堪えた。猫屋くんの顔を見たら溢れてしまいそうだったので、少し目を逸らしながら話した。今は夜。きっと涙は夜が隠してくているはずだ。
「なんでそうなるんだよ...ありささんはひろ兄のいとこだから昔から知っているだけで別に特別仲がいいわけでもないし…急にあの家に住むって意味がわかんないし俺だって混乱しているのに」
「ごめん、明日早いから帰る…」
猫屋くんの話はあまり入ってこなかった。涙は見られたくなかった。だからとにかく帰ろうと思った。せっかく友達としてやっていこうと思っていたのに。好きな人が来るなんて..
「待てよ..!」
「は、はなして」
「俺は、由美子さんと話がしたいんだ!!」
そう言われて思わず振り返ってしまった。
振り返ると猫屋くんはサングラスを外し、真剣な面持ちで私を見つめていた。
気がつけば、私の目からは涙が出ていた。
「え、なんで泣いてんの!?」
心配そうに猫屋くんが訪ねてくる。
「…好きな人…なんでしょ?」
「え..?」
「ありささん、猫屋くんがずっと待ってた人なんでしょ…?」
何言ってんの私。こんなこと言いながら泣くなんて。もう私が猫屋くん好きなのバレバレじゃん。
やってしまった。私めんどくさい女だ。せっかく友達になれるところだったのに、こんな…
「ごめ…」
そう言いかけた特に口を塞がれた。
「んん..!」
どうして…どうして!?頭が真っ白になる。
これは演技…?いやそんなはずない。
じゃあからかってるの?私が猫屋くんのこと好きだから?からかっているの?
そうして猫屋くんは重ねた唇をゆっくり話す。
悲しそうな面持ちで「違う..違うよ。俺が待ってたのは」
「最低。」
そう言って猫屋くんを突き放す。
「好きな人いるのに..待っている人がいるって言ったのに…さいってい!私は確かに、今まで恋愛したことなんてなくて、慣れてなくて、チョロいかもしれない。でもからかわないで!寂しさの穴埋めに利用しないで!」
そう吐き捨てて逃げるように帰る。
家についてからは布団に潜り込んだ。
酷いこと言っちゃった…と後から考えるものの、からかう猫屋くんはもっと酷い。
ああもう明日からバー行けないな。また行くってマスターにも言っちゃったのにな。
その日は中々寝付けなかった。