歪んだ月が愛しくて1



「単刀直入に言う。これはどう言うことだ?」



バンッと、1枚の用紙を突き付けられた。
どこか見覚えのある用紙には「第3回進路希望調査書」と記されていた。



「……勝手に見てんじゃねぇよ」

「随分な言い草だな」



何でこれがここにある?

机の中に隠していたはずなのに。



「言って置くが、これを見つけたのは俺様じゃねぇぞ」



考えられるのは文月さんと家の中の人間。
こんな家捜しみたいな真似をする人物は文月さんしか考えられないが、本人が自分じゃないと言い張ると言うことはあの2人のどちらかと言うことになる。



「……カナ?」



どちらであっても面倒なことになりかねないが、どちらかと言うとあの人じゃない方が俺的には…。



「チサしかいねぇだろうが」



最悪だ。よりによってあの人に見つかるなんてついてない。
こんなことになるならとっとと処分しておけば良かった。



「アイツがこれを見つけて俺様にどうしたらいいかって泣き付いて来たんだよ」



あの人ならやりかねない。
俺とは違って文月さんのことを心底信頼しているあの人なら。
でも何であの人がそんなことをしたのかが分からない。



「安心しろ。フォローはしといてやったぞ」

「フォロー?」



頼むから余計なことは言わないでくれ。
あの人は文月さんのことを慕っているから俺と違って文月さんに逆らうようなことは絶対しないし、文月さんもそれを分かってるから事あるごとにうちの事情に口を挟んで来る。
それでなくも文月さん……いや、鏡ノ院の発言力は大きいのだ。


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