残念姫、王子に溺愛される
夕食後片付けて、ソファに座っている歩稀の隣に座った恋羽。
すると歩稀が、恋羽を愛で始めた。
包み込むように抱き締めて、口や頬にキスを落としたり、頬を擦り寄せたり……
恋羽は、その愛撫を「フフ…」と嬉しそうに浸る。
「あ、そうだ!
今度、緋月くんとマリホさんと四人でお食事行かない?
緋月くんとマリホさんに、誘われたの!」
「え?」
(緋月…)
最近“緋月”の名前を聞くだけで、嫉妬心が顔を出す。
「歩稀さん?」
「ん?あ…うん、そうだね」
「じゃあ…連絡しなきゃ!」
そう言って恋羽がスマホを取り、操作し始める。
【緋月くん、お疲れ様!
お食事の件だけど、いつがいい?】
歩稀はそんな恋羽を後ろから抱き締めた。
「んん…歩稀さん?」
「ん?」
「あ、あの…くすぐったい…
ちょっとだけ、離れて?」
「やだ」
「やだって…」
「恋羽、いい匂いする…!
好き…//////」
「……/////」
するとそこに、緋月から返信が来る。
【連絡ありがとう!
歩稀に合わせるよ】
それを後ろから見ていた歩稀。
「面倒だし、緋月に電話して?」
と言った。
歩稀に「スピーカーでかけて」と言われ、恋羽が電話をかける。
『恋羽、お疲れ様!』
「……っ…」
歩稀は、この第一声の緋月の声にかなり驚愕していた。
あまりにも、優しくて甘い声だったから。
恋羽には、こんな甘い声で話しかけるのか………?
この声に“抑えきれない愛情”のようなものを感じる。
「緋月くん、お疲れ様!
歩稀さんが、面倒だから電話しよって」
『そっか!
いつがいいかな?』
「今週末は?」
できる限り“俺の恋羽と”話をさせたくない。
そんな思いで、恋羽の後ろからスマホに向かって声をかけた。
『え?歩稀?』
「うん」
『どうして、歩稀が出るの?』
「当たり前だろ?
“一緒に住んでるんだから”
“フィアンセ”だしね!」
『…………
今週末か。
うん、いいよ。
じゃあ…○○にしようか?
恋羽、そこのビーフシチュー好きでしょ?』
少し間があって、気を取り直したように緋月が言う。
「あ…でも、歩稀さんやマリホさんが良い所で…」
「『恋羽が良い所でいいんだよ!』」
綺麗に、歩稀と緋月の声がハモった。
「……フフ…フフフ!ハモった!(笑)」
「『あ…』」
恋羽はしばらく、クスクス笑っていた。
すると歩稀が、恋羽を愛で始めた。
包み込むように抱き締めて、口や頬にキスを落としたり、頬を擦り寄せたり……
恋羽は、その愛撫を「フフ…」と嬉しそうに浸る。
「あ、そうだ!
今度、緋月くんとマリホさんと四人でお食事行かない?
緋月くんとマリホさんに、誘われたの!」
「え?」
(緋月…)
最近“緋月”の名前を聞くだけで、嫉妬心が顔を出す。
「歩稀さん?」
「ん?あ…うん、そうだね」
「じゃあ…連絡しなきゃ!」
そう言って恋羽がスマホを取り、操作し始める。
【緋月くん、お疲れ様!
お食事の件だけど、いつがいい?】
歩稀はそんな恋羽を後ろから抱き締めた。
「んん…歩稀さん?」
「ん?」
「あ、あの…くすぐったい…
ちょっとだけ、離れて?」
「やだ」
「やだって…」
「恋羽、いい匂いする…!
好き…//////」
「……/////」
するとそこに、緋月から返信が来る。
【連絡ありがとう!
歩稀に合わせるよ】
それを後ろから見ていた歩稀。
「面倒だし、緋月に電話して?」
と言った。
歩稀に「スピーカーでかけて」と言われ、恋羽が電話をかける。
『恋羽、お疲れ様!』
「……っ…」
歩稀は、この第一声の緋月の声にかなり驚愕していた。
あまりにも、優しくて甘い声だったから。
恋羽には、こんな甘い声で話しかけるのか………?
この声に“抑えきれない愛情”のようなものを感じる。
「緋月くん、お疲れ様!
歩稀さんが、面倒だから電話しよって」
『そっか!
いつがいいかな?』
「今週末は?」
できる限り“俺の恋羽と”話をさせたくない。
そんな思いで、恋羽の後ろからスマホに向かって声をかけた。
『え?歩稀?』
「うん」
『どうして、歩稀が出るの?』
「当たり前だろ?
“一緒に住んでるんだから”
“フィアンセ”だしね!」
『…………
今週末か。
うん、いいよ。
じゃあ…○○にしようか?
恋羽、そこのビーフシチュー好きでしょ?』
少し間があって、気を取り直したように緋月が言う。
「あ…でも、歩稀さんやマリホさんが良い所で…」
「『恋羽が良い所でいいんだよ!』」
綺麗に、歩稀と緋月の声がハモった。
「……フフ…フフフ!ハモった!(笑)」
「『あ…』」
恋羽はしばらく、クスクス笑っていた。