残念姫、王子に溺愛される
「――――そうですか!わかりました!
えぇ、大丈夫ですよ!
じゃあ、駅前のデパートで待ってます!」

講義が終わり、ミリナと別れ真田に連絡をした恋羽。
しかし真田が急な仕事で、30分程遅れると連絡を受けた。

大学はなんとなく注目を浴びるので、恋羽はデパートに向かった。

いつものように、色々見て回っていると………

「あれ?
お姫様だ!」
突然、男性に声をかけられた。

「え?」
(だ、誰?)

「あ、ごめんね!
俺は、歩稀や緋月の親友のシバノ タツシ!」

「え?あ…歩稀さんと緋月くんの…!」

「うん!
突然、ごめんね!
びっくりしたよね?(笑)」

「あ…」

「何してるの?
歩稀と待ち合わせ……にしては、早いよね?
まだ3時くらいだし」

「えーと…お迎えを待ってます」

と言うと「じゃあ…一緒にお茶しようか!」と誘われた。

歩稀の親友なら問題ないだろうと思い、受け入れた恋羽。
一応、真田にその旨を連絡した。
「シバノさんは、お仕事は大丈夫なんですか?」

「あー!今日、半休でさ!
なんとなく歩いてたら、お姫様見かけたから!」

「そうなんですね!
でも、どうして私のことを?
一度もお会いしたことないのに」

「俺の後輩が、君と大学が同期なんだよ!
…………フフ…そいつから聞いてた通りだね!」

「え?」

「可愛いなって!」

「……/////そ、そんなこと…//////」

「歩稀がベタ惚れなのわかるなぁ〜」

「……/////あ、ありがとうございます//////」

あまり褒められ慣れてないため、褒められると照れて顔が赤くなってしまう。
それを隠すために恋羽は、何度も水を飲んでいた。

「でも、意外だな!」

「え?」

「お姫様、歩稀の元カノ達とはかけ離れてるから……!」

「え……」
(やっぱ、美女ばっかりだったのかな?)

「知ってるんだよね?
あいつの最低だった頃のこと」

「あ…はい…」

「その頃、色んな女を連れてたからね(笑)」

「どんな方だったんですか?」

「ん?」

「歩稀さんの、その…元彼女さん」

「知りたいの?」

「はい」

タツシがスマホを取り出し、操作する。
そして、写真を見せてきた。
「えーと……あ、この子。
エリって言うんだけど、このエリとの付き合いが一番長かったかな」

「…………綺麗な方ですね…!」

そう言って微笑むと、タツシが目を見開き恋羽の頬に触れた。


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