冷徹大臣の雇われ妻~庶民出身成り上がり女官の次の就職先は伯爵夫人ですか~
「さて、キミも知っているだろうが。このバルビゼという国では、今王位継承権を巡った争いが起きている」
彼の口調は淡々としていた。報告書でも読んでいるみたいに、抑揚がない。感情もこもっていない。
「そして、貴族の九割がどちらかの王子の派閥についている。ここで問題だ。我がヴェルディエ伯爵家は――第一王子、第二王子。どちらの派閥についていると認識している?」
彼の双眸がさらに細くなった。
質問の意図がリリアンにはわからない。そもそも、リリアンは貴族ではないのだから、派閥のことは知らない。
「申し訳ないのですが、存じあげません」
「ほう」
「どのおうちがどちらの派閥か――など、私には関係ありませんから」
目を閉じて言う。カンディードはなにも言わなかった。
「もしも、私になんらかの情報を期待しているのであれば、無駄です。私は一庶民に過ぎません」
真似するように淡々と告げる。カンディードはまだなにも言わない。
「お話はこれだけでしょうか? もしもそうなら、失礼いたし――」
「――合格だ」
彼の口調は淡々としていた。報告書でも読んでいるみたいに、抑揚がない。感情もこもっていない。
「そして、貴族の九割がどちらかの王子の派閥についている。ここで問題だ。我がヴェルディエ伯爵家は――第一王子、第二王子。どちらの派閥についていると認識している?」
彼の双眸がさらに細くなった。
質問の意図がリリアンにはわからない。そもそも、リリアンは貴族ではないのだから、派閥のことは知らない。
「申し訳ないのですが、存じあげません」
「ほう」
「どのおうちがどちらの派閥か――など、私には関係ありませんから」
目を閉じて言う。カンディードはなにも言わなかった。
「もしも、私になんらかの情報を期待しているのであれば、無駄です。私は一庶民に過ぎません」
真似するように淡々と告げる。カンディードはまだなにも言わない。
「お話はこれだけでしょうか? もしもそうなら、失礼いたし――」
「――合格だ」