呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「苦しんでいるのは……。私だけでは、なかったのですね……」
「……いや。俺の苦痛など、イブリーヌが感じていたものに比べたら、大したことなどない」
「私がもっと早く……。陛下にかけられた呪いに、気づいていれば……」
「……イブリーヌは悪くない。自分を責めないでくれ」
後ろめたい気持ちでいっぱいになった妻の姿を、見かねたのだろう。
彼女の黒髪を手櫛で梳く彼は、一房手に取ると優しくそこに口づけた。
「ここに至るまで、さまざまな紆余曲折があったが……。俺達が思いを通じ合わせた夫婦であることは、変えようのない事実だ。今は悲しい過去を振り返るよりも、未来を見据えて行動したい」
「陛下……」
「今まで伝えられなかった分だけ……。今度は行動だけではなく、積極的に愛を囁くと誓おう」
気持ちを通じ合わせる前は、何をよく考えているかよくわからなかったが――イブリーヌは今なら、オルジェントの瞳に宿る感情がよく読み取れる。
(陛下は、私が好きで堪らないのね……)
高圧的で冷たい雰囲気を醸し出す彼の中に、妻に対する愛が山ほど詰まっていると知った彼女は――。
「……いや。俺の苦痛など、イブリーヌが感じていたものに比べたら、大したことなどない」
「私がもっと早く……。陛下にかけられた呪いに、気づいていれば……」
「……イブリーヌは悪くない。自分を責めないでくれ」
後ろめたい気持ちでいっぱいになった妻の姿を、見かねたのだろう。
彼女の黒髪を手櫛で梳く彼は、一房手に取ると優しくそこに口づけた。
「ここに至るまで、さまざまな紆余曲折があったが……。俺達が思いを通じ合わせた夫婦であることは、変えようのない事実だ。今は悲しい過去を振り返るよりも、未来を見据えて行動したい」
「陛下……」
「今まで伝えられなかった分だけ……。今度は行動だけではなく、積極的に愛を囁くと誓おう」
気持ちを通じ合わせる前は、何をよく考えているかよくわからなかったが――イブリーヌは今なら、オルジェントの瞳に宿る感情がよく読み取れる。
(陛下は、私が好きで堪らないのね……)
高圧的で冷たい雰囲気を醸し出す彼の中に、妻に対する愛が山ほど詰まっていると知った彼女は――。