呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
 気持ちを確かめ合った二人は、王城の中ではつねに行動をともにするようになった。

「へ、陛下……。人前、ですから……」
「俺がイブリーヌを世界で一番愛していると、見せつけてやらなくてどうする」
「ひ、必要ないのでは……?」
「俺達を引き裂こうと目論む害虫に目をつけられては、適わんからな……」

 オルジェントが椅子に座っている時は妻を膝の上に座らせ、立っている時は抱き上げているか、胸元に寄り添うように指示を出す彼は――誰がどう見ても、イブリーヌにゾッコンである。

『愛の言葉を口にできるのとできないのとでは、これほど違いが出るなんてね……』
『らぶらぶ……』

 二匹の猫達は毎日のようにいちゃつく二人の姿を見て飽き飽きしているようで、少し距離を保ってのんびりと日向ぼっこをしていた。

(私も猫さん達と一緒に、たまにはのんびりしたかったな……)

 三年以上寝室で籠もりっきりであったイブリーヌにとって、オルジェントと行動をともにするのはハードなことこのうえなかった。
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