琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?
「ーーーーさて、本題に入ろうか」
気のせいか社長の瞳が剣呑なものに変わった気がする。
何となく室温が下がったような気がして両腕で自分の身を抱きしめぶるっとした。
「結婚して2年と7ヶ月と3日。俺たちは社会に認められた夫婦だ」
え、えーっと。
細かくない?そこは2年半でよくないか。
「そうだな?」
「そうですね」
何だかわからないけど、念を押されたので頷いた。
「ご両親が亡くなり動転していたあの時の葵羽には俺との結婚以外の選択肢はなかった。葵羽にとって隆一との結婚は絶対に嫌だった」
過去を振り返るように話し出す社長の意図がよくわからないけれど、話の腰を折るのも違うかと思って口を挟まず頷いた。
「はっきり言っておくが、俺は葵羽と離婚する気はない。例え大政の問題が片付いたとしても、だ。俺は葵羽を手放すつもりはない。残念だが葵羽が望む再婚の話もなし。昨日言っていた婚姻届は二度と書き直すことはないから諦めてくれ。それと今日から俺もここに住む」
離婚する気がない?ここに住む?
てっきり時期が来たら離婚するのだと思っていた私はぽかんと口を開けた。
「俺が今まで葵羽との接触を控えていたのはなぜだかわかるか?」
「そりゃあ仮初めのっていうか書類上の妻だから・・・・・・接触する必要がなかった」
「違う」
あまりに強く即否定されて驚いた。
今日の社長はというか、さっきから様子がおかしい。私の肩を抱きながら作り物の笑顔で『マイハニー』とか言ってるいつもの社長じゃない。
「葵羽はたった22でいきなりひとりぼっちにされて、悲しみに浸る間もなく親族のドロドロに巻き込まれた。普通の女性なら夢と希望に溢れ仕事や恋愛を楽しむ時期にだ。必要があって俺と結婚させたが、せめて心の自由は奪いたくなかった。もちろんよその男との肉体関係は認められないが」
それってーーー
その言い方はまるで全てが私のためだったみたいじゃない。
もしかして私の知らない何かがあるのか。
いつもなら真っ直ぐ見つめることが出来ない社長の琥珀色の瞳を見据えた。
「説明してください。私がわかるように」
「ーーーーーいいけど、後悔しない?」
「え?」
社長が少しの沈黙のあとに怪しい笑顔を見せる。
これまさか聞いちゃいけないやつだったとか?
斜め向かいに座っていた社長がいきなり立ち上がり私の隣に腰を下ろす。
ひ、膝と膝が当たっているっ。
他人の目がないところでは触れ合ったことがない。
今まで感じたことのない距離感に焦って腰を浮かそうとするとすかさず腰に手を回されがっちりと抱え込まれた。
えーっと。
「この手、なんでしょう」
「逃げないように捕まえておかないとと思って」
それがどうしたとでも言いたげに笑顔を返される。
「ひっ・・・とまえじゃないのに、これ必要あります?」
動揺して声が裏返っちゃったのも恥ずかしい。
社長はくくくっと笑い出したし。
気のせいか社長の瞳が剣呑なものに変わった気がする。
何となく室温が下がったような気がして両腕で自分の身を抱きしめぶるっとした。
「結婚して2年と7ヶ月と3日。俺たちは社会に認められた夫婦だ」
え、えーっと。
細かくない?そこは2年半でよくないか。
「そうだな?」
「そうですね」
何だかわからないけど、念を押されたので頷いた。
「ご両親が亡くなり動転していたあの時の葵羽には俺との結婚以外の選択肢はなかった。葵羽にとって隆一との結婚は絶対に嫌だった」
過去を振り返るように話し出す社長の意図がよくわからないけれど、話の腰を折るのも違うかと思って口を挟まず頷いた。
「はっきり言っておくが、俺は葵羽と離婚する気はない。例え大政の問題が片付いたとしても、だ。俺は葵羽を手放すつもりはない。残念だが葵羽が望む再婚の話もなし。昨日言っていた婚姻届は二度と書き直すことはないから諦めてくれ。それと今日から俺もここに住む」
離婚する気がない?ここに住む?
てっきり時期が来たら離婚するのだと思っていた私はぽかんと口を開けた。
「俺が今まで葵羽との接触を控えていたのはなぜだかわかるか?」
「そりゃあ仮初めのっていうか書類上の妻だから・・・・・・接触する必要がなかった」
「違う」
あまりに強く即否定されて驚いた。
今日の社長はというか、さっきから様子がおかしい。私の肩を抱きながら作り物の笑顔で『マイハニー』とか言ってるいつもの社長じゃない。
「葵羽はたった22でいきなりひとりぼっちにされて、悲しみに浸る間もなく親族のドロドロに巻き込まれた。普通の女性なら夢と希望に溢れ仕事や恋愛を楽しむ時期にだ。必要があって俺と結婚させたが、せめて心の自由は奪いたくなかった。もちろんよその男との肉体関係は認められないが」
それってーーー
その言い方はまるで全てが私のためだったみたいじゃない。
もしかして私の知らない何かがあるのか。
いつもなら真っ直ぐ見つめることが出来ない社長の琥珀色の瞳を見据えた。
「説明してください。私がわかるように」
「ーーーーーいいけど、後悔しない?」
「え?」
社長が少しの沈黙のあとに怪しい笑顔を見せる。
これまさか聞いちゃいけないやつだったとか?
斜め向かいに座っていた社長がいきなり立ち上がり私の隣に腰を下ろす。
ひ、膝と膝が当たっているっ。
他人の目がないところでは触れ合ったことがない。
今まで感じたことのない距離感に焦って腰を浮かそうとするとすかさず腰に手を回されがっちりと抱え込まれた。
えーっと。
「この手、なんでしょう」
「逃げないように捕まえておかないとと思って」
それがどうしたとでも言いたげに笑顔を返される。
「ひっ・・・とまえじゃないのに、これ必要あります?」
動揺して声が裏返っちゃったのも恥ずかしい。
社長はくくくっと笑い出したし。