琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?
何だろう、この敗北感。
つやつやの白米に出汁のきいたお味噌汁。
魚なんて私が焼くよりふっくらとしていて、卵焼きは甘すぎない絶妙な味付け。
本当にうちの冷蔵庫の食材と調味料を使って出来たものなんだろうか。
しかし、料理も出来るのかーーーーわたしこの男に勝てるところがないような気がする。
「美味しすぎるんですが、社長」
「『クリス』な」
「ああ、はい。美味しすぎます、クリス」
「それはよかった」
いつも朝は食欲がないのに今日は朝からしっかりいただく。
美味しくてお代わりも出来そう。
パクパクと食べ進めているとクリスが「葵羽に頼みがあるんだが」と切り出した。
もしかしたら私に頼み事をするためにこの豪華な朝ご飯を作ったのかななんて考えが頭をよぎる。
「なんでしょう」
「今日も午後から出勤だろ。その前に少し仕事の手伝いを頼みたいんだ」
「いいですけど、どんなものですか」
「エイプランニングの仕事。悪いけど一緒に出勤してくれるか。短時間で終わるから滉輔のところの仕事に支障は出さないようにする」
エイプランニング?
そこは結婚してから私が2番目に行ったコンサルティング会社だ。
また女性社員のお掃除関係のお仕事かな。私が短時間顔を出したくらいで牽制出来るのならそれはそれでいいけど。
「いいですよ。前払いのご褒美もらってますし」
「前払い?」
「この豪華な朝ご飯ってそう言う意味じゃないんですか」
「そんな訳あるか。これは一般的な朝食だろう」
「ええー。単身世帯では一般的ではないと思いますよ、絶対」
これが一般的な朝食というクリスって。
「毎朝こんな豪華な朝ご飯を作っているんですか」
「いや、ほぼ外食」
「え、外食?作ったり作ってもらったりは・・・・・・。」
外食ってどういうこと。
クリスの日常生活が全く見えない。
都内のあちこちにあるマンションを転々としているって聞いたこともあるけど、それも眉唾な話だと思っているし。
「お、いい傾向だな。俺のこと興味持ってくれた?」
ニヤニヤするクリスにしかめっ面をお返しし、黙って残りのご飯を口に運ぶ。
何だろう、昨日からクリスがおかしい。
まるで別人みたいで調子が狂うったらない。
表情は豊かだし、口調も違うし。
髪を下ろしたスウェット姿なんてレアなものも見せていただいて。これを見たことがある女性はどのくらいいるんだろうなんて考えが頭をよぎってしまい、ふるふると振り払った。
「どうした?」
「な、なんでもありませんっ」
朝から変な想像をしてしまって気まずい。
言葉に詰まるとクリスがふんっと鼻で笑った。
「もしかして惚れた?」
「惚れてませんよっ」
なんてこと言うんだ。
つやつやの白米に出汁のきいたお味噌汁。
魚なんて私が焼くよりふっくらとしていて、卵焼きは甘すぎない絶妙な味付け。
本当にうちの冷蔵庫の食材と調味料を使って出来たものなんだろうか。
しかし、料理も出来るのかーーーーわたしこの男に勝てるところがないような気がする。
「美味しすぎるんですが、社長」
「『クリス』な」
「ああ、はい。美味しすぎます、クリス」
「それはよかった」
いつも朝は食欲がないのに今日は朝からしっかりいただく。
美味しくてお代わりも出来そう。
パクパクと食べ進めているとクリスが「葵羽に頼みがあるんだが」と切り出した。
もしかしたら私に頼み事をするためにこの豪華な朝ご飯を作ったのかななんて考えが頭をよぎる。
「なんでしょう」
「今日も午後から出勤だろ。その前に少し仕事の手伝いを頼みたいんだ」
「いいですけど、どんなものですか」
「エイプランニングの仕事。悪いけど一緒に出勤してくれるか。短時間で終わるから滉輔のところの仕事に支障は出さないようにする」
エイプランニング?
そこは結婚してから私が2番目に行ったコンサルティング会社だ。
また女性社員のお掃除関係のお仕事かな。私が短時間顔を出したくらいで牽制出来るのならそれはそれでいいけど。
「いいですよ。前払いのご褒美もらってますし」
「前払い?」
「この豪華な朝ご飯ってそう言う意味じゃないんですか」
「そんな訳あるか。これは一般的な朝食だろう」
「ええー。単身世帯では一般的ではないと思いますよ、絶対」
これが一般的な朝食というクリスって。
「毎朝こんな豪華な朝ご飯を作っているんですか」
「いや、ほぼ外食」
「え、外食?作ったり作ってもらったりは・・・・・・。」
外食ってどういうこと。
クリスの日常生活が全く見えない。
都内のあちこちにあるマンションを転々としているって聞いたこともあるけど、それも眉唾な話だと思っているし。
「お、いい傾向だな。俺のこと興味持ってくれた?」
ニヤニヤするクリスにしかめっ面をお返しし、黙って残りのご飯を口に運ぶ。
何だろう、昨日からクリスがおかしい。
まるで別人みたいで調子が狂うったらない。
表情は豊かだし、口調も違うし。
髪を下ろしたスウェット姿なんてレアなものも見せていただいて。これを見たことがある女性はどのくらいいるんだろうなんて考えが頭をよぎってしまい、ふるふると振り払った。
「どうした?」
「な、なんでもありませんっ」
朝から変な想像をしてしまって気まずい。
言葉に詰まるとクリスがふんっと鼻で笑った。
「もしかして惚れた?」
「惚れてませんよっ」
なんてこと言うんだ。