純恋〜ひとつの光〜
ぎゅっと頬を両手で挟んでタコみたいな口をした変な顔を見ていると、ピーっとお湯が沸いた音がして慌てて火を止めに走って戻った。
バッと後ろを振り向くと耀くんはまだ変わらない姿勢で眠っていてほっと胸を撫で下ろす。
ドリップコーヒーをセットして、あくびをひとつ。
するとスッと後ろから抱きしめられた。
「おはよう」
こ、これは…
なかなか朝から刺激が強いな。
耳元で寝起きの掠れた低い声が鼓膜をくすぶる。
私の首元に顔をうずめて耀くんの髪が当たってこそばゆい。
そこからお腹に回された大きな手の温もりに、朝だというのに大人な思考が頭をよぎって動けない。
「おはよう、寝れた?」
そんな思考を誤魔化すようにこんな風に後ろから抱きしめられても私は大人だから気にしませんよって感じで接してみる。
内心はもうバクバクだというのに。