純恋〜ひとつの光〜
「青葉さん、下がって」

ピリッとした空気を耀くんの背中から感じる。

「え、でも…」

「俺が行く。青葉さんは入ってくるなよ」

そう言って耀くんは私を通りに残したまま階段を登り部屋に入ってしまった。

え!?

どうしよう!?

たぶん中には私の予想が正しければ太一がいるはず。

あわあわと何をしていいのかわからず部屋をこの場から眺める事しかできない。

「青葉さん。大丈夫ですのでこちらへ」

するとどこからかぬぅっと現れた五十嵐さんに黒塗りの外車に乗るように言われる。

「え!? いや、あの! 中に、耀くんが!」

「大丈夫です。車内でお待ちください」

そう言って半ば強引に車内に押し込まれた。

そして少し経った頃、耀くんが車に乗り込んできた。

「出せ」

「承知」

「耀くん!」

「大丈夫だよ。誰もいなかった。代わりにメモがあったよ。もう来ないって。それから借金の話も書いてあった」

「え…」

私は耀くんに借金がある事を話していない。

恥ずかしくて言えなかった。
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