純恋〜ひとつの光〜
「耀くん!」

「はは、冗談だよ。こうして側にいて欲しい」

そう言って私の手を取りそっと握る。

耀くんとは初めて私の家に泊まった時にキスをした以降、そういった事はしていない。

こうして手を握ったり、抱きしめられたりはしてたけど…

でもさっきのガーベラを見つめて愛おしそうにした耀くんの顔がよぎる。

このままもし私がここに住んだとなれば、間違いなく私は耀くんから抜け出せない。

もう裏切りや絶望は味わいたくない。

「耀くんには…、私以外にもいるじゃん」

「いないよ」

「さっき言ってたガーベラの人って女の人でしょ?」

「そうだよ」

ほら。

「なら私にこんな風にしたらだめでしょ」

「なんで?」

なんで!?

「私帰る!」

私は手を振り解き立ち上がる。

「帰るなよ」

すると耀くんも立ち上がり、今度は抱きしめられた。
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