純恋〜ひとつの光〜
「離して…」

「俺には青葉さんだけだよ」

ならさっきのあの顔はどうやって説明するのよ。

「俺から逃げないって約束して」

耀くんは私を抱きしめてそんな事を言い出す。

その声があまりに切なくて、私は引き剥がす事が出来ない。

そして何故だかコクっと頷いてしまった。

「俺なんだ」

「え?」

「俺だよ。見てよ俺を」

そう言って私の目の前に屈んで顔を見せる。

耀くんの瞳が揺れ、まるで何かを訴えるようなその瞳から目が離せない。

すると耀くんの目の下のホクロに目が行き、その瞬間に昔ガーベラをあげたあの男の子と重なった。

「嘘…でしょ…? あの時の…?」

耀くんはコクっと頷く。

「そう。さっき言ってたあの時の小学生が俺だよ」

私は口に両手を当てて息を飲む。

まさかとは思ったけど…

「本当に?」



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