純恋〜ひとつの光〜
「高校に入ってすぐに母親が家を出て行ったの…」

私はぽつりぽつりと言葉を吐き出すように話し出す。

「昔から父親は暴力を振るう人で、母親は私を置いて出てってしまって。それから、父の矛先は私に向けられたの…」

「その腕の傷も父親が?」

「え?」

気づいてたの…?

「青葉さんがいつも長袖を着てて、腕を押さえてるのが気になって寝てる時に見た」

そっか…
無意識に押さえてしまってたんだ私。

そして知ってて何も言わずにいてくれたのか…

私はそっと長袖を捲って耀くんに改めて見せた。

耀くんは私の腕を取り、傷跡に優しく手を這わせ労るように慰めるように撫でる。

「酷かったの本当に。殴られて全身がアザだらけで…。家に帰りたくなくて、夜の街を徘徊してたら…中学の同級生だった太一に…助けてもらって…」

耀くんの綺麗な顔が歪む。

「それから一人暮らしだった太一の家に匿ってもらって、恋人になって結婚もした…。でも、太一はいつからか変わってしまって…」

耀くんは黙ったまままた私を抱きしめた。

「辛かったな…」

「耀くん…」
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