純恋〜ひとつの光〜
「やっぱり怖い…よな…」

耀くんはそう言って、口元に笑みをつくるも瞳の奥は悲しそうだった。

驚き言葉も出ない私を見下ろし力なく笑うその顔が切なさで溢れているように見えた。

「せっかく夜ご飯も作ってくれたんだろうけど…、俺、少し出てくるな」

そう言ってシャワーも途中のまま着替えに向かい、耀くんは出て行った。

「俺は本当に青葉さんが好きだよ。ごめんな、なかなか正体を明かさなくて」

最後にそれだけを言い残して。

耀くん…

その日から耀くんは帰って来なくなり、仕事の送り迎えは世良さんがしてくれるようになった。

一週間が経ち、二週間が経つ。

家主のいないこの家も、一人で過ごすには広過ぎて居心地があまり良くない。

耀くんと二人でいた時はあんなに楽しかったのに。
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