純恋〜ひとつの光〜


まさか太一が私との子供を望んでいたとは思いもしなかった。

でももう私のお腹には、その子はいない。

そして、いろいろ検査をしたら私は元々できにくい身体で、この手術を受けたら二度目はないかもしれないと言われた。

それでもいいのかと言われ、私は良いと答えてしまった。

それから太一の態度は明らかに変わってしまった。

私が太一の夢を奪ったから。

そして私たちは離婚をした。

このアパートも私名義で借りていたから太一が出ていく事になって、次の家が見つかるまではと一緒に住んでいた矢先に太一は怪我をした。

あれから何年経った?

私が子供を産めないと知って態度が変わって、離婚もして。
ようやく怪我も治って働きに出たかと思えば女?

昔どこかで聞いた事がある。

一度でも信用を無くした相手とは修復できないと。

心の亀裂は治らないと。

怪我をした太一の看病をする私に太一は言った。

態度が悪くてごめんと。
そして、この怪我が治って借金も返したらまた結婚しようって。

だから私はその言葉を信じてやってきたのに。

深い底なし沼のようなため息が狭い部屋に消えた。
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