純恋〜ひとつの光〜
「凄い店だね」

「落ち着かない? ごめんな。普通の店だとちょっとな…」

そう言って耀は苦笑いをする。

今なら分かる。
なんでいつも外食をする時は個室の部屋だったのか。

どうしていつも側に黒服の人たちが待機していたのか。

皆んな耀や私の安全のためだったんだって。

私を家まで歩いて送ってくれていた時も、バイクで送ってくれていた時も、私に気付かれないようにきっと何人もの人が護衛に回っていたんだろうな。

きっと耀なりに少しでも二人きりの時間を作ろうとしてくれてたんだよね。

「ありがとう」

私は色んな意味でお礼を言うと耀は優しく微笑んだ。

この笑顔を見るのが好き。
私の前ではこうやっていつも穏やかでいて欲しい。

きっと想像もつかないような殺伐として過酷な世界で生きているんだろうから。
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