純恋〜ひとつの光〜
「手荒な事はしたくないので、大人しく着いて来てください。組長がお呼びです」

組長?

「侠極会の月城組と言えばわかりますか?」

侠極会 月城組の組長…

という事は耀の父親って事だ。

「わ、わかりました…」

そう言えば、指紋一つないピカピカの黒いリムジンに乗せられる。

「悪いね、急に」

中には奥にただならぬオーラを放つ着流しに身を包んだ男性が腕を胸の前に組んで私を待っていた。

「いえ」

どう見ても歓迎されている感じはしない。

しかも言っちゃなんだが、耀とそっくりで歳を重ねた耀を見ているみたいだ。

ついジッと見てしまう。

「耀と一緒に暮らしてるんだって?」

「は、はい。耀さんには大変お世話になりっぱなしで…」

私は頭を下げる。

「何が目的だ?」

ビリっとしたオーラが彼からは伝わってくる。

「目的などございません」

それだけは目を見てハッキリと言う。

そうよ。
目的だなんて。

「なるほど。耀は君の借金を肩代わりしたそうだが。家にも住まわせて。君は耀に何をしてやれるんだ?」

それは…

正直言って何もない。

私は何も持っていない。
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